第43章

蒼海は冷笑し、言葉少なに問いかけた。

「……お前、ほんとにそこで待ってたのか?」

紬はこくりと頷く。

「うん」

あの、四角いタイルの上。言われた通り、いい子に立っていた。どこにも行かず、うろうろもしなかった。

――なのに、パパは最後まで紬のことを忘れた。

そこまで言ったところで、紬の小さな顔から笑みがすうっと消える。声も、かすかに落ちた。

「パパ、紬のこと……捨てたかったんでしょ?」

本当は、分かっていた。

パパが振り返りもしないで背を向けた瞬間、胸の奥がひやりとした。ああ、捨てられたんだって。

パパは、もう紬はいらない。

その場にずっと立っていた。周りには人がたくさん...

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